バーレーン戦:魅力的なコンテンツ。・・・・だが
アジアカップ予選のバーレーン戦。
またバーレーンだ。
日本相手によく戦えるという理由で、他の中東勢から日本専門にあてがわれてるんじゃないだろうか。
毎年2回も戦っていればそう思う。
回数という意味では隣国の強豪韓国より身近な国になった。
年明けから不甲斐無い戦いを見せてしまっていた日本代表。
なぜか強豪でないアジア勢相手にオプションを試す余裕も無い岡田監督。
全力投球の布陣を取ってきた。
これは、サブメンバーを含めて戦うW杯に向けたチーム作りが進んでいない事を意味している。
ワントップの岡崎とアンカーの遠藤以外の中盤は全員海外組。
W杯のチーム作りを度外視すれば、このスタメンは試合をとても魅力的なコンテンツにした。
民放は年始の数試合ではなくこのバーレーン戦を放映すべきだったと悔しがったことだろう(BSのみ)。
長短織り交ぜて、地上と空中の両方を使ったパスが、バーレーンのスペースを突いていく。
信じて走った先にボールが出る。
多少プレスをかけられても個人技でかわし、パスを出せる。
人もボールも動くスペースメイキングは創造的でチャレンジに溢れている。
ボールの起動、選手の身体の使い方、ひとつひとつワクワクさせてくれるプレーが数多い。
中村俊輔・本田・長谷部・松井の四人はJリーガーではなしえないレベルでの個人技を披露しながら、日本代表のサッカーのクオリティを押し上げた。
押し上げてしまった。
一部の不安要素を覆い隠してしまうほどに。
特に点をとってしまったFW岡崎は、彼自身が海外のDF相手に戦えるようなプレーを見せていないにも関わらず、評価される事態になっている。
Jリーガーに突然変異的レベルアッでもない限り、この中盤のメンバーがW杯のスタメンになるだろう。現在地の次元が違いすぎる。
確かに彼らもミスはあった。ヨーロッパの強豪なら決定的なピンチになったことだろう。
攻めに注力したことで年始にあったディフェンスの安定性は崩れたかもしれない。
決定機のわりにゴールが少ないかもしれない。
実際のW杯ではここまでボールは持てないだろうから本番の参考にならないのも事実だ。
しかし、バーレーン戦で展開されたサッカーは確実に「見
ていて楽しかった」
この「楽しい」という感覚がすなわち、この試合が良質なコンテンツであったことを意味するのだ。
コンテンツとして質の低下を続けていた代表戦が持ち直したのは良いことだ。
だから1試合限定で言えば、日本代表素晴らしい。
当分岡田監督でいいんじゃね?、となる。
残念ながら、W杯の準備という意味では、不満だらけだ。
選手だはない、監督の問題だ。
本番を意識していない不思議なベンチワークはますます目立ってきた気さえする。
時間の短い森本、なぜラストが玉田なのか?
そしてDFは全く変わらない。岡田監督が不死身と信じてるだろう中澤と闘利王だ。バックアップはいない。
Jリーグが開幕するのに、バックアップ的に使われた選手がすくなすぎる。
彼らはW杯で闘うことを想定してクラブに戻ることはないだろうし、W杯に向けたコンディションを作らないだろう。あくまでも目の前のJを闘うだけだ。
戦術的勝利と戦略的敗北。
価値が重いのはどちらだろうか。