銀砂の楔リプレイ その2-1
銀砂の楔 TRPGリプレイ 第二話『夜の咲く日々のはじまり』 【全6回】 | 公開日 |
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(その1)銀砂の楔リプレイ その2-1 | 2017年5月28日 |
(その2)銀砂の楔リプレイ その2-2 | 2017年6月1日 |
(その3)銀砂の楔リプレイ その2-3 | 2017年6月2日 |
(その4)銀砂の楔リプレイ その2-4 | 2017年6月6日 |
(その5)銀砂の楔リプレイ その2-5 | 2017年6月10日 |
(その6)銀砂の楔リプレイ その2-6 | 2017年6月10日 |
GM「よし、第二回をはじめましょう。前回の話のだいたいの所は、第一話リプレイの通り」
曽根崎君香「源さんに彼女が出来る話だったっけ」
GM「いや、源さんが彼女になっちゃう話だな(笑)」
曽根崎君香「本田くんが離婚する所からか」
GM「勝手に話を作るなよ。ゲームの世界の中で前回のプレイからは二週間ほど経過しています。皆さんはまだ門狩りとしてではなく、普通の人間として生活出来ているわけです。そんな中でSKSの浅井栞璃さんから呼び出しがかかる」
吉野裕也「ところでその人だれ」
GM「がくっ」
徳川源三郎「キャミソール着たおばさんだ」
GM「源さんにだけはおばさんと言われたくないと思うよ」
曽根崎君香「あの~締め切りが迫ってるんですけど(笑) 終わってからでもいいですか」(曽根崎さんは作家です)
GM「それはそれで構わないらしい。特に急ぎというわけではないらしい」
吉野裕也「ちょいと二年ばかし放浪の旅に出てもいいですか(笑)」
GM「本当に行くのかい」
吉野裕也「嘘です」
曽根崎君香「私も原稿上げたので行きます(笑)」
GM「もう終わったのか。結局みんな行くわけだ。…そしてSKSへ向かう途中(コロコロ)…小田切さん」
小田切進「はい?」
GM「SKSへ向かう途中、ちょっとした事が起こる。小田切くんが街を歩いていると、向こうの方から女の子が走ってくる」
小田切進「ふんふん」
GM「そして君の腕にガシッとつかまると、『た、助けて下さい』」
小田切進「え、え、ええ?」
GM「君がうろたえていると、女の子が来た方向と同じ方から黒服を着込んだ男たちが『待てぇー!!』と追いかけてくる」
小田切進「横道に逃げる」
GM「小田切くんは女の子をつれて逃げるんだけど、当然のごとく彼らは追いかけてくる。…敏捷度+D6で勝負しよう」
小田切進「(コロコロ)…1(汗) 足して9」
GM「こっちは11だ。…そうすると、女の子の手を引っ張って逃げている君たちは追いつかれてしまうわけです。しかも逃げ込んだ横道は袋小路(笑)」
小田切進「よくあるパターン!(笑)」
曽根崎君香「さすがやね」
黒服『その少女を渡してもらおうか』
徳川源三郎「銃でもちらつかせれば一発だよ」
GM「銃? 携帯してないよ(笑)」
小田切進「この娘は何をしたんだ?」
黒服『答える義務はないな。黙って渡すんだ、その方が身のためだ』
GM「そいつらの人数は4人」
小田切進「………」
黒服『どうやら渡す気はないようだな(笑)』
GM「君が黙っていたのでそいつらは実力行使に出ようとする。小田切くんに殴りかかってくるよ」
小田切進「女の子に『ちょっと下がってろ』と言う」
GM「女の子は黙ってうなづくと後ろに下がった。黒服は不意打ちのような形で君に攻撃をかけてくる。(コロコロ)殴ったけどはずれた(笑)」
曽根崎君香「なんだいそりゃ」
GM「小田切くんはどうする」
小田切進「囲まれそうなんやろ?」
GM「そうだね」
徳川源三郎「術を使え~」
小田切進「何かあったかな」
しばらく思考する小田切。
しかし何も思いつかず、考え込む
曽根崎君香「小田切先生、そこで固まってないの(笑)」
小田切進「殴りかかってきたのに殴り返すよ」
GM「平目の敏捷度でふってくれ。ダメージはD6としよう。実際の戦闘じゃないからいい加減だけどね」
小田切進「命中、2ダメージ」
GM「じゃあ君のパンチは軽くヒットしたよ」
黒服『やはり抵抗するか!』
GM「で、次のターンの前に…(コロコロ)えーと、曽根崎さん」
曽根崎君香「はい?」
GM「君は向こうのほうから小田切さんと女の子が手をつないで走っていき、横道に入るのをみた」
曽根崎君香「は~、やるな、と思う(笑)」
GM「しかし後ろのほうから黒服の連中が追いかけてくるよ」
曽根崎君香「いったいどんなやばい女に手を出したんだ?(笑)」
GM「…それだけ」
曽根崎君香「いや、ついていく。カサカサカサ」
GM「すると路地で小田切くんと黒服が殴り合っている」
曽根崎君香「…とりあえず手元にあった開いてない缶ビールを投げるよ」
GM「じゃぁ敏捷の平目で」
曽根崎君香「命中」
徳川源三郎「ホントか~?(笑)」
曽根崎君香「本当だよー」
GM「曽根崎さんが缶ビールを投げると黒服の頭にスコーンと当たった」
黒服『チィ!あまり人が増えるとまずい、ひとまず退散だ』
GM「そしてスタコラサッサと逃げていってしまう」
曽根崎君香「やったね。キルマークつけていい?(笑)」
全員『だめだめ』
小田切進「じゃあ女の子に大丈夫だった?と声をかける」
GM「小田切くんが後ろを振り返ると…いません(笑) 消えてます」
曽根崎君香「あれ、小田切くんのお連れさんはどうしたんですか」
小田切進「…?」
GM「曽根崎さんはわかるけど、袋小路から他に出ていった人はいない」
曽根崎君香「横からスーっと行ったとか」
GM「死角になるほど小さくないよ(笑)」
徳川源三郎「チョコチョコチョコ(笑)」
小田切進「どこだ~?と言いながらそのへんのゴミ箱をあさる(笑)」
GM「どこにもいないようだ。…とりあえずその場はそんな所。で、同じくSKSに向かう途中に、本田くんと源さんと吉野くんは政治家の選挙演説を耳にする」
徳川源三郎「選挙行ったことないから無視する(笑)」(←これはプレイヤーだろ)
本田黒猫「街頭演説を聞いてるの?」
GM「羽柴冬冶(はしばとうじ)をよろしくお願いします、とか言ってる。なんでももうすぐ衆議院議員選らしくて、ここ新橋ととなりの大原は、首都・京琶のお膝元とあって選挙運動もかなり盛んに行われているんだ」
本田黒猫「選挙カーによってコソコソ仕掛けをする」
GM「いや、演説を聞いている人が多いし、それでいて選挙カー周辺には誰もいないから、君が近づくのはバレバレ」
本田黒猫「ヤジを飛ばす。しかも人の影から」
GM「君がヤジを飛ばすと、選挙宣伝のおねーさんが下がって、立候補者らしい本人が出てきてとうとうと演説をはじめる」
本田黒猫「更にヤジをとばす」
GM「若い政治家はヤジに耳をかさず、多くの聴衆に向かって話を始める」
羽柴『先の不審船の領海侵犯を機に、我が国の国防体制が問われているのはご存じの通りだ。政府は新しい日米協力のためにガイドラインを作成したが、そこから不審船についての項目は削除された。それがどういうことかわかるか?……』
曽根崎君香「だぁあああ(笑) そんな漢字をならべてもわからんち」
GM(黙って聞けよ。こいつの演説は後々、重要なんだから)
羽柴『我が国には自衛隊がある……しかし法律は自衛することさえ許していない。左よりの方々は法律の拡大解釈で、日本が軍事的な力を持ちそれを行使してしまうことを恐れている。だが……』
徳川源三郎「行こうか……」
吉野裕也「行っちゃいましょう」
本田黒猫「行こう、腹減ったし」
GM「(話が長かったか。これで後々PCは苦労するかも)……そうして君たちは途中で去ろうとするわけだ。一般人たちは、その政治家の語り口が熱く真剣であるためか、惹きつけられるように集まってきている」
本田黒猫「近くのコンビニに行く」
吉野裕也「レストラン」
本田黒猫「え? レストランなんか行ったら目的を忘れて帰っちゃいそうだよ」
GM「じゃあ君たちの目的を再確認させてやろう。浅井栞璃さんに一応呼び出しをうけている(笑)」
吉野裕也「とりあえず飯を喰ってからいく」
GM「SKSにつくと栞璃さんがこめかみをピクピクさせながら怒っているようだ」
浅井栞璃『……遅かったわね』
本田黒猫「あ~喰った喰った、げふぅ(笑)」
曽根崎君香「どこで食ってきたんだよ」
本田黒猫「コンビニで(笑)」
GM「今回は仕事の話ではないらしい」
浅井栞璃『この間の水茅内茉耶の件でいくつかわかった事があるわ。だけどそれは私の口からではなく、ある人を紹介するからそっちから聞いてちょうだい』
曽根崎君香「うん」
浅井栞璃『術者の一族、四条坂家につなぎをつけてあるの……』
徳川源三郎「…四、条、坂っと」
浅井栞璃『あなたがたがどうして門狩りの力を持つに至ったのか、そういう事も彼らならあるいは知っているかも知れない』
曽根崎君香「うん」
GM「そして君たちは四条坂家の場所を聞いた」
本田黒猫「わかんねーよー、どこだ」
GM「(マップの右端を指さす)ここ。東南部」
本田黒猫「おお。…結構遠いな~」
徳川源三郎「電車で行くべきだな」
GM「電車? 新橋から乗るから飯田、阿笠といった駅を通るかな」
本田黒猫「SKSから車とか借りられないの?」
GM「借りられないよ」
徳川源三郎「運転技能なんて持ってるの?」
本田黒猫「無免でいいよ、SKSなんだから」
GM「だめだよ」
曽根崎君香「じゃあJRでぷしゅーと行くわけね(笑)」
吉野裕也「JRだったのか」
本田黒猫「よし、頑張って歩こうか」
曽根崎君香「じゃ先行ってるね。後からおいで(笑)」
GM「では、本田君が繁華街とかを歩いていると…」
本田黒猫「マジで歩きかよ(笑)」
GM「街の雑踏の中に見覚えのある金髪をみつけた」
本田黒猫「つかむ!(笑)」
GM「出来んわ! 向こうにいるの。そして雑踏にまぎれて消えて行く」
本田黒猫「追っかける!」
GM「では敏捷度で判定してくれ」
本田黒猫「(コロコロ)…おおっ!? 大失敗(笑)」
GM「じゃあ君はガシッと金髪をつかんだけど、全然違う人だった」
曽根崎君香「ローリー寺西とか」
徳川源三郎「チーマーの金髪の髪をつかんだとか(笑)」
本田黒猫「…とりあえずそのまま一本背負いする(爆笑)」
GM「では背負って投げた」
本田黒猫「はいや~!!」
GM「そしたらねー、『なにしとんじゃワレェ』ってヤバそうな若者が集まってくる」
本田黒猫「逃げる、もちろん逃げる」
GM「では逃げました。そして、本田くんは四条坂家につく頃にはヘトヘト、みんなは待ちぼうけ(笑)」
曽根崎君香「遅いよ」
GM「さっきの金髪なんだけど、本田くんだけにはわかる。アメリカにいるはずの人です」
徳川源三郎「誰だ?」
本田黒猫「誰だろう(笑)」
GM「別離って書いてあるだろ」
本田黒猫「ああ、なるほど」
GM「四条坂家はかなり大きな屋敷だ。門とかも馬鹿でかい」
本田黒猫「門にのぼろうとする」
曽根崎君香「どうして正面から行こうとしないんだよ」
本田黒猫「マッドだからさっ」
GM「しかし君には登れるだけの体力と気力がないよ(笑)」
本田黒猫「だから『登ろうとする』んだって」
曽根崎君香「ガリガリ」
GM「では門を開けろ開けろと言ってるようにしか見えないわけだ。しがみついてちゃって(笑)」
曽根崎君香「いや、こんなのと一緒いや~」
GM「本田君が門で爪とぎをしてると(笑) 『何かようですかな』と身なりのいい和服のじいさんが出てくる」
全員『………』
GM「………」
全員『………』
GM「………」
全員『………』
本田黒猫「……そのまま倒れる(爆笑)」
GM「あのー『何かようですか』はみんなに言ったつもりだったんだけどな~」
曽根崎君香「あーあ」
四条坂家じじ『…おお、これは酷い。疲労困憊だ(笑)』
曽根崎君香「で、私ら何しにここに来たんだっけ?」
吉野裕也「さぁ」
本田黒猫「何かがわかるから行ってこいという話だった」
曽根崎君香「そうかそうか」
GM「栞璃さんの紹介でね」
四条坂家じじ『ところであなたがたはどなたですかな』
全員『………』
GM「おいおい、みんなどうしたんだよ」
本田黒猫「いや、あらためて自分が何かって聞かれるとさぁ(笑)」
今まで発言を控えめにしていた源さんのプレイヤーが業をにやして発言する。
徳川源三郎「だから~、SKSの社員で浅井栞璃さんの紹介で来ました」
四条坂家じじ『なるほど、そうでしたか。……こちらへ』
GM「そうして屋敷の中へ案内される。もちろん本田くんは一人だけ別室で介抱されるわけだ(笑) みんなは非常に広い和室に案内される。座布団がまばらにポンポンおいてあるだけで、非常に居心地が悪い気分を味わいながら座って待つことになった」
徳川源三郎「茶菓子が出ないということは、帰れということだな(笑)」
GM「しばらくすると女中さんがお茶をもってくる。その人と入れ違いにじいさんが入ってくる。かるく君たちに会釈し、手近な所に座ると話し出す」
四条坂家じじ『…水茅内茉耶様の死体の処理、ありがとうございました』
徳川源三郎「ダイナマイトで吹き飛ばしたのにか?(笑)」
四条坂家じじ『…ま、まあそのような細かいことは置いておいて…。我々術者は茉耶様の死後、内乱状態にありまして……』
徳川源三郎「権力争いか」
四条坂家じじ『その通りです。そのため、とても外の事に気を配る余裕がないのです。…しかも我が四条坂家の当主も行方をくらましたままでして…はぁ~』
徳川源三郎「さっきのちっこい女の子かな。勘だけど」
四条坂家じじ『当主の名は四条坂久遠と申します』
吉野裕也「男、女?」
四条坂家じじ『え、あ、まぁ四条坂久遠と言うんですよ(笑)』
曽根崎君香「なんだよ、教えてくれないのか」
四条坂家じじ『ゴ、ゴホ、ゴホゴホッ。さて、何の話でしたか。そうそうSKSの方にはわかりにくいはずの術者の世界についてお話しましょう。
茉耶様はまとまりのなかった我々の社会を、組織化しつつありました。茉耶様の直接の援助にあたる四条坂家と、茉耶様の指導の元に動く護法十八家が核でありました』
曽根崎君香「足がしびれてきたな(笑)」
四条坂家じじ『その他の小さな一族は十八の家により統括されていたのです。中途半端に組み上げられていた我々の社会は、中心人物を失い、空中分解してしまったのです。そして十八家は2つに分かれて、現在争っています。…術者についてはこれくらいにしましょう。
次にあなたがたの力について少しお話しましょう。栞璃さまに頼まれていたことです。
我々四条坂家は護法十八家と茉耶様で新橋全体を覆う<結界>をつくっていました。新橋の『橋』としての機能を封じ、SKSで言うところのゲートを封じるためにね。
結界を構築するには莫大なエネルギーを必要とし、維持するためには茉耶様の力が必要不可欠だったのです。だから茉耶様が亡くなられた時、蓄えられていた結界の力は新橋全体に広がってしまいました。
………力の一部はヒトの躰に宿り、門狩りと呼ばれる力の覚醒を促したのです』
徳川源三郎「へーえ」
みんな説明が長すぎて分かってない
GM「ま、とにかく君たちの力は茉耶さんの力の一端なんだよ」
四条坂家じじ『たぶんあなたがたはいずれ自分の認識力を遙かに越える力を行使できるようになるでしょう。……そしてそれを我々は神業(カミワザ)と呼んでいます』
GM「話はこれで終わりだ。内乱が収まれば協力できることも出てくるのではないか、とのことだ。そして君たちは屋敷をおいだされる」
つづく
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(その4)銀砂の楔リプレイ その2-4 | 2017年6月6日 |
(その5)銀砂の楔リプレイ その2-5 | 2017年6月10日 |
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