岩崎琢 Selfconsciousnes

部屋を片付けていたらヨルムンガンドのCDを発掘し、その異界に浸っていた。

続けて岩崎琢を無性に聴きたくなり、劇判音楽集Selfconsciousnessを購入。
このアルバムは岩崎氏の2010年あたりまでに手掛けた曲が、作品あたり二~三曲収録されている。
ウィッチハンターロビンやらグレンラガンやらRODやら。

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なお、最近の岩崎琢作品は、ノラガミ、魔法科高校の劣等生、文豪ストレイドッグス、といったあたり。

岩崎琢氏の音楽の特徴は、作品のBGMとしては映像の世界観を限りなく拡張する力を持ち、それでいて単体として聴くと作品世界観を飛び越えた別の領域我々を連れて行ってくれることにあるだろう。

本人はライナーノーツで「全て偽物」といった趣旨の発言をしているが、クラシックからJAZZ、果てはダブステまで、作品が作られる度に幅の広さが増していく点も魅力的だ。
もう一人、私の好きな劇判音楽家としては菅野よう子がいる。
この2人の違いは、あらゆるジャンルから良いもの集め世界観に落とし込む菅野よう子に対し、あらゆるジャンルを岩崎琢としての音楽に落とし込む点だろう。

邦画やTVで描かれる世界は、長らく現実の延長でしかなかった。それゆえに現実を飛び越えた想像力と表現力をもった人材は、日本ではゲームやマンガという二次元を表現する業界にいるしかなかった。
ここ数年はマンガ原作で、かつ現実の延長でない作品が増えつつあり、(慣れていないが故に、現実を持ち込んでしまうため批判が多いものの)映画自体が生まれ変わりつつある。
アニメーションではなく、岩崎琢の音楽が似合う映画が生まれる日も近いと信じている。

Selfconsciousnessは、名曲ぞろいではあるものの、単体ではどこか物足りない構成となっている。
世界に浸ろうとしたところで別の世界に飛ばされるので、少々忙しいのである。
あくまで岩崎琢氏への入門用ダイジェスト版と言える。

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